絵はかけるよ

「絵はかけるよ」   作:あきひろ

                          

 

ぼくは、みんなより、じょうずに走れない。

ぼくは、みんなより、じょうずに文字がかけない。

ぼくは、みんなより、じょうずにしゃべれない。

 

 

おかあさんは、

みんなとちがうことをすっごくなやんでる。

 

 

ぼくは、なんでみんなといっしょじゃなきゃいけないのか

よくわからない。

 

 

絵本をよむのがだいすきだし、

むしさんもすきだ。

 

ずっと、ず~っと絵本をよめたらいいなぁっておもってる。

 

 

でも、

いろんなことができるようにならないと、

大人になったときこまるみたい。

 

 

だからぼくは、

がんばって

いっしょうけんめい 走るし、

いっしょうけんめい しゃべるし、

いっしょうけんめい かいてる。

 

 

でも、どんなにがんばっても

ぜんぜんうまくできない。

 

 

『なんで、うまくならないんだろう。』

くやしくて、くやしくて泣いちゃった。

 

おかあさんにそのことはなしたら、

おかあさんも泣いちゃった。

 

 

ぼくは、おかあさんにわらってほしいのに、

ぜんぜんうまくできないから、

おかあさんをかなしませてる・・・・。

 

 

なんでだろ。

なんでうまくできないんだろ。

 

・・・かんがえてもぜんぜんわからない。

 

 

 

でも、聞いて!!

 

このあいだ、ぼくがかいたむしさんの絵が、

クラスのだいひょうにえらばれて、

としょかんにかざられたんだ!!!

 

おかあさんと見に行ったんだけど、

おかあさんとってもよろこんでくれて、

かえりにぼくのすきなハンバーグをおなかいっぱいごちそうしてくれたんだよ!

 

うれしかったなぁ~。

 

もっと絵をかいて、

たっくさん、おかあさんによろこんでほしいなぁ~。

 

 

おかあさん。

 

 

ぼくは、

 

うまく走れないし、

うまくしゃべれないし、

うまく字がかけないけど、

 

ぼく、

 

ぼく、

 

 

絵はかけるよ。

 

(絵をかいておかあさんがよろこんでくれるだけじゃだめなのかなぁ・・・。)